四国の霊峰 石鎚山弥山登拝(石鎚神社 頂上社、中之宮 成就社)

11月の初め、久しぶりに山登りの機会があり、以前から登りたいと思っていた石鎚山を登拝しました。石鎚山は夏や秋の暖かい時期はアブ、ブユ(ブヨ、ブト)などの虫が異常に多いと聞いていたので、ある程度寒くて積雪もないこの時期はちょうどよかったです。
石鎚山の登拝記は、ページ量の関係上、2回にわけています。
1 石鎚山弥山、石鎚神社成就社、頂上社などについて書いています。(今回の記事)
2 石鎚山天狗岳について書いています。(次回の記事)

目次

石鎚山の登拝にあたり、登山コースは表参道であるロープウェイ山頂成就社駅を出発点としました。登山記の前に、石鎚山、石鎚神社、登山コースなどについて調べたので以下にまとめています。

石鎚山、石鎚神社について

石鎚山と石鎚大神

石鎚山は石鎚大神が坐す山岳信仰、修験道の霊峰です。頂上付近は鋭い岩峰が続き、いかにも霊峰らしい気高さが感じられます。石鎚大神とは、石鎚山に宿る高位の山の神々の総称と思われます。修験道的にいえば、石鎚蔵王大権現等の表現になると思います。石鎚大神には、石鎚の神(山岳神)、頂上社の神、成就社の神などです。大天狗の伝承があります。石鎚の神(山岳神)とは太古の昔、地球に遣わされた高次の存在の一つとされます。
石鎚山は、飛鳥時代に役の行者が開山。常住社(現、中之宮成就社)を創立。空海も修行したとされます。
石鎚山は山の香りが奥日光の山と似ています。樹木の香気が類似しているのかもしれません。。

石鎚神社(石鎚四社)

石鎚神社は石鎚山を神体山(神しずまります山)とする御社です。(石鎚神社のWebサイトより)
山頂の頂上社、中腹(7合目)の成就社と土小屋遥拝殿、里宮の口之宮本社の四社です。

石鎚山付近の霊域

霊山として石鎚山のみ有名ですが、石鎚山の東方に位置する瓶ヶ森(1,897m)笹ヶ峰(1,859.47m)なども含めて霊域が形成されています。
(ネット写真等で見ていただいたらわかると思いますが、笹ヶ峰、瓶ヶ森ともに強い山の霊気をまとっており、山の神さまが宿っているのは確実と思われます)

石鎚山登山コース

ヤマケイ登山地図で調べたところ、たくさんのコースがありましたが、最もオーソドックスな表参道の成就社コースの往復を利用しました。

表参道 成就社コース

ロープウェイ利用でロープウェイ成就社山頂駅から出発。
天狗岳まで登り 3時間。下り 2時間20分.。ロープウェイ所要8分くらい。
大きな鎖場が4つ、迂回路あり。鎖場は渋滞している場合がある。
トイレは成就社と弥山山頂の頂上山荘、二の鎖の元のトイレ休憩所。冬季未確認。
石鎚山は、7月1日は女人禁制となるそうですので注意です。
危険箇所は鎖場のほか、弥山~天狗岳の石峰歩きです。東稜から天狗岳に登るコースもあるそうですが非常にスリリングだそうですのでやめました。(^∀^;)
寒い日に鎖場を登る場合は、すべり止め付きの手袋が役立ちます。鎖場によっては登山靴より運動靴やトレランシューズのほうが足がくさりの輪っかに入りやすく比較的登りやすいそうです。輪っかは石鎚の信者さんが白装束、足袋で登るのを想定しているのかもしれません。

石鎚山山頂付近登山コース略地図

その他のコースは以下の通りです。

裏参道 土小屋コース

天狗岳まで登り2時間30分。下り1時間45分。
登山口に石鎚神社中之宮遙拝殿あり。

面河コース

天狗岳まで登り 4時間45分(バス停から。駐車場からだと30分程度短縮)。下り 3時間35分。
面河渓あり。

西之川・天柱石コース

天狗岳まで登り 5時間50分。下り 4時間5分。

堂ヶ森コース(保井野登山口/梅ヶ市登山口)

天狗岳まで保井野登山口からで登り 5時間50分。下り 4時間50分。
二ノ森を通過することができる。

 

石鎚神社 中之宮 成就社参拝

ロープウェイ山頂成就社駅を出発して林道のような山道を15分~20分程度登ると石鎚神社の中宮である成就社に到着です。
成就社の境内は山中とは思えないほど開けていて神社の他、宿泊施設、食堂、商店などがありました。シーズンだと活気があるのでしょうが頂上山荘閉鎖の直前時期なので人は少なめでした。

成就社入口

中宮 成就社 境内

中宮 成就社には二つのお社がありました。大体正面方向に見えるお社とやや左手に見えるお社です。正面に見えるお社は人が多かったです。左手のお社には殆ど人が向かっていませんでした。最初に正面のお社をお詣りしました。

正面のお社

上の画像のお社が中之宮成就社になると思います。こちらは人が多かったです。訪社しお詣りすると山の神さまの天狗さんがすでにおられるようでした。(個人の観想です。)
大変気持ちよい山の神さまで参拝できてよかったです。これから登る人なら大抵安全祈願が多いと思います。滑落事故が多い山ですから、心をこめて祈願をしたほうが安心だと思います。

次に左手にある下の写真のお社をお詣りしました。

やや左手のお社

上の写真のこちらは見返遙拝殿だと思います。恐らく石鎚山を遙拝するお社だろうと思います。

こちらは参拝する人が全くいませんでしたのでゆっくりできました。
わたしが参拝させていただいた時は、祝詞を唱えると、どういう神さまかはよくわかりませんでしたが、大変美しいエネルギーの山の神さまが出てこられ感動しました。(個人の観想です。)こちらのお社に参拝できてラッキーでした。

成就社の参拝を終えると、下の写真の神門から登山に出発しました。しばらくトイレはないので成就社内でトイレはすませておくべきです。

神門

石鎚山登山

遙拝の鳥居

遙拝の鳥居

神門をすぎ、10~15分ほど進むと石鎚山遙拝の鳥居に着きます。遙拝の鳥居というだけあって、こちらから石鎚山の主神と思われる山岳神さんをお詣りすることができるようになっています。(個人の観想です。)石鎚山に登らない場合でも、成就社からこちらまでは歩いて山岳神さんにお詣りして帰るのがよいと思います。

八丁坂

八丁坂は階段が多かったです。

石鎚山の登山は木の階段が延々と続きました。登るピッチの間隔が登りにくい階段で、いやになりました。だんだん左ひざが痛くなってきました。(^∀^;)

試しの鎖(74m)

成就社から45分くらいで試しの鎖でした。(歩くスピードによって前後します。)
試しの鎖は登りのあと下りがあるルートで、下りが厳しいそうなので、回避しました。登りと下りを足して74mのようです。登る人は多く女性や中学生くらいの子どももまじってました。

試しの鎖(74m)

この日の試しの鎖は岩場の斜面が濡れていました。
不動の力水

不動の力水の看板のある店舗跡がありました。廃墟でした。もちろん水はありません。もしかしたら夏場は営業するのかもしれません。

夜明かし峠


夜明かし峠(標高約1,650m)です。ためしにこちらから少し目を閉じて意識を集中して石鎚山の山岳神さんを遙拝してみましたが、祝詞をとなえたわけでもなく確認できませんでした。

夜明かし峠付近の眺望

 

一の鎖(33m)

試しの鎖から30分ほどで、一の鎖に到着です。

一の鎖(33m)には登ってみました。途中で踊り場があったと思うので休めます。一番短い鎖ですが、落ちたら一巻の終わりかもと思うとこわかったです。特に1ヶ所、岩場がぼこっと出ているところがあり、横に逃げたらかえって登りにくかったです。
この一の鎖を試しでみて二の鎖、三の鎖は迂回することを決めました。恐らく一生懸命になれば登れなくはないとは思います。

二の鎖(65m)

二の鎖は写真をとるのを忘れました。足場が比較的あり、上方はさほど難しくないとのことなので、登ってもよかったです。

二の鎖を迂回して進むと勤続の階段、通路がありました。

金属の通路、階段


金属の通路、階段は冬場は雪が積もって難所になるようです。

三の鎖(68m)

地図上では、迂回路が最も長そうなのが三の鎖です。


足場が余りなさそうで、濡れていたので登りにくそうでした。

石鎚山弥山

石鎚山の弥山に到着です。ロープウェイの頂上成就社駅からですと2時間30分くらい,はかかっています。登山時間が短かったので、疲れは余りなかったです。頂上はにぎわっていました。小中学生くらいの方もいっぱいでした。みんな昼時でカップめん類を食べてました。山小屋(頂上山荘)でお湯を買えるようでした。(山小屋は11月3,4日で営業終了)

山頂は霧に包まれていて眺望はありませんでした。眺望を期待していたわけでもないので何とも思いませんでした。

山頂スペース

山頂の石鎚山プレート

プレートの上は頂上社です。

石鎚神社頂上社登拝

霧の頂上社はなかなかいいです。

頂上社には有人の授与所もありました。

頂上社付近のリアル天狗さん

石鎚山山頂だからこそ映える風景です。

頂上社の鳥居と祠

頂上社で石鎚本教の方でしょうか。

樹氷

頂上社付近の樹氷です。

天狗の雪つぶて

頂上社にやってきた際、小さい雪の塊がふってきてわたしの頭にに当たりました。ふわりと落ちた感じでした。これは、天狗さんの合図だなと思いました。

頂上社の祠の方に進むと、講の方だと思いますが何かの儀式のようなことをされていて、神々しさがある風景でした。講の御師のような方が信者の方に小さな雪の塊をふりかけたりしながら何かを唱えておられました。それをみて、「さっきの雪はこの講の方の雪がはぐれて偶然落ちてきたのかな。」と思い直しました。

しかし、その後、天狗岳まで往復し頂上社に戻ってきたとき、再び小さい雪のかたまりが顔にあたりました。その当たり方はまるで雪つぶてのようにすごい勢いでびしっと当たってきました。痛いというほどでもなく不快ではなかったですが、突然だったのでかなりびっくりしました。風で落ちてきたにしてはありえないスピードでしたので、「やっぱり最初の雪も含めて天狗さんだったんだ」とわかりました。からかい上手な天狗さんかなと思い親しみがもてました。

頂上社にはすばらしい高位のエネルギーの山の神さま(大きな天狗さん)のお社のように思います。(個人の観想です。)幻想的な霧が出ていた頂上社で超然とした天狗さんがおられるのをイメージするとすごい光景だと思いました。こういうことも登拝の醍醐味です。

後日帰宅後調べてみたら、石鎚山には有名な大天狗さんの伝承があるとのことでした。法起坊大天狗というそうです。

「日本七霊山 四国の霊峰 石鎚山登拝2 天狗岳」 に続きます。



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