太郎山登拝2 厳しかった太郎山→小太郎山→山帽子山縦走
日光の太郎山登拝からの続きです。太郎山山頂の休憩でリフレッシュしたので張り切って太郎山~小太郎山の稜線歩きを開始しました。
尾根歩き 太郎山~小太郎山
稜線の雪道
太郎山の頂上でゲイターを装着したので、踏み抜きしても登山靴に雪が入らず安心でした。(^ ^)
稜線からのお花畑と女峰山、小真名子山
稜線からの景色は本当によかったです。
稜線の雪道
雪の横を歩いたのでなかなか難しい稜線歩きでした。ゆっくり慎重に歩きました。雪の上でも歩けたかもしれませんが、雪の横の方が無難だと思いました。
稜線の雪道
下を見ないようにし、わずかなスペースを歩きました。雪がしっかりある時期より、融けかけた時期の方が難しいと思いました。
剣ヶ峰
剣ヶ峰までやってきました。すばらしい剣ヶ峰の写真です。
剣ヶ峰の急な壁を登ったり下りたりしましたが、以前山帽子山側から通過した時より簡単でした。わたしの感想では、剣ヶ峰の通過は山帽子山側からの方が難しいと思います。
ところでくつずれの足がまた痛みだしました。恐らくクッションのティッシュがずれたようです。
また、はっきりと記憶してないのですが、太郎山~小太郎山の稜線の途中で少し気分が悪くなってきたのを感じました。
この時点では前日の寝不足もあって、いつもの高山病がいつもより少し重いのかなという程度で気にしていませんでしたが・・・。
剣ヶ峰から下をのぞく
山帽子山側から通過する場合はこの岩肌を下ります。今回はここを登りました。こうやって下を見ると怖くなるかもしれないので、山帽子山側からやって来た場合は、観察しないでささっと下りた方がよさそうです。巻き道もあるそうですので、丁寧に探せば見つかると思います。
急速に気分が悪化しているのを感じました。いつもの高山病の症状ではないなと思い始めていました。少しの登りがかなり負担でした。
小太郎山
何とか小太郎山到着です。
小太郎山頂
小太郎山の山頂も太郎山と同じく開けていて、眺望もよくすごしやすいです。
小太郎山では、靴を脱ぎ、くつずれ対策として少し太めのキズテープ(ケアリーヴ)を4枚使い、両足のかかとの手当てしました。ケアリーヴは使い勝手がよく、以後、くつずれで痛みを感じることはなくなりました。
靴ずれは解決したものの、気分の悪化は急速に進み、胸やお腹がむかむかするようになりました。もしかして食あたりかなと思い、嘔吐することも頭をよぎりましたが吐き気が明確でなかったので我慢して進むことにしました。太郎山で休憩したばかりなので休憩はしませんでした。
小太郎山から尾根を振り返り、その先は女峰山
小太郎山からの眺望は、男体山、大真名子山、小真名子山、白根山、越後山脈などすばらしいですが、写真的には太郎山や尾根で撮ったのとかぶるのでこの1枚のみで割愛します。
山帽子山へのトレイル
本来快適なはずの山道ですが、気分が悪くなり、立っているのがやっとの状態で進みました。
遠かった小太郎山下りと山帽子山の登り
小太郎山から山帽子山へは、高低差約400mをのろのろと下りました。
山帽子山への登りでは、非常に気分が悪く、トレッキングポールを出してすがりつくように歩きました。トレッキングポールはもしもの時に役立つので携帯しています。今回は雪の登りでも使いました。
お腹がぐるぐると頻繁に鳴り、食あたりだなと実感しました。
一歩一歩がたまらなく重かったですが10cmでも1cmでもとにかく前に進み、苦しくても休憩はしないと決めて歩きました。すわり込むと動けなくなり下山できなくなることを危惧したためです。この時のことを思い出してもよく頑張ったと自分でほめたいです。
下山の危惧はしていましたが、実際のところ行動不能になったりビバークしたりという心配はしていませんでした。なぜかというと自問自答した時、そのような心配はないということはわかっていたからです。間違いなく下山はできるが、ただかなりの努力を要するということでした。
山帽子山の登りの途中、朦朧とした意識の中で、何か対策しようと思いました。
まず、体内の気を動かして症状を軽減しようとしましたが、お腹の位置で気が滞りつっかかりました。ただ少しでも悪いものを排毒する効果はあったと思います。こういう時は外から気を取り入れ、悪いものを体外に出すイメージで呼吸するとよいようです。気功の一種です。
次に水のがぶ飲みをしました。500mlのペットボトルの7割くらいを一気飲みしました。嘔吐は不可避と思ったので出しやすくすることと、毒の成分の血中濃度を薄める効果があると思います。また、前日睡眠不足だったので恐らく高山病も少しはあると思ったので水分によるその軽減も狙いです。
最後に神頼みをしました。このままでは下山できなくなるので、気分を回復させて欲しいと山の神さまにお願いしました。
これらの対策が功を奏したのか、それまで曖昧だった吐気が明確になってきました。吐いてしまえば楽になれるはずと思っていました。一息入れる場所として、山帽子山頂上のスペースを目指しました。
樹林帯の登りを抜けると上方が明るくなり、山帽子山の頂上に到着かと期待する気持ちがあったのですが、笹原に出て頂上はまだまだでした。期待が外れると精神的にはダメージでした。
そのような繰り返しが2、3回あり、きつかったです。
山帽子山
へろへろになりがながら、何とか山帽子山の山頂到着です。小太郎山から山帽子山まで2時間かかりました。(; ^ ー^) コースタイムを後で調べると1時間20分ということなので、1.5倍くらいです。
山帽子山山頂
山頂に着いて、悪いものを吐き出すことに決めていたので、すぐに取り掛かりました。ポリ袋を出し、手をアルコールティッシュできれいにし、荒療治になりますが、口の奥に指を入れ嘔吐の真似事をしました。
その結果は・・・、大型のげっぷが出ました。(; ^ ー^) 他には水分が少々だけで食べたものは何も出ずでした。ただ、このげっぷが出たおかげで、以後、気分が急速に回復していきました。げっぷの中に相当悪いものが濃縮され出て行ったのだと思います。
これで助かったと思い、日光の、太郎山の神さまに深く感謝しました。
少し冷静になり、食当たりの原因を考えました。短時間に発症したため、断定はできませんが過去の経験から、それほど重症ではないヒスタミン中毒と自己診断しました。購入したおにぎりの具が原因だろうと当たりをつけました。重症ではないといっても相当につらかったです。自宅だったらうんうん唸りながら寝込むレベルです。気分がよくなったので完全に失念していましたが、持参していた抗ヒスタミン薬を飲めばよかったなと後から思いました。
参考リンク先:ヒスタミン食中毒
山帽子山登山道を下山
少し雪が残っていましたが、楽な下山でした。
山帽子山登山道を下山
山帽子山の登山道は荒々しい新薙登山道と比べると本当に優しく歩きやすいです。雪も少なく天国のようです。気分も80%ほど回復し楽々下山できました。
刈り込まれた笹の登山道
一年前に来た時より笹が刈り込まれていて大変歩きやすくなっていました。これなら女性や子どもでも歩けます。
山帽子山は30分ほどで下山できました。下山後、ゲイターを外しました。
大変な難苦の太郎山登拝でしたが、何とか下山できてよかったです。ヽ( ^∀^)ノ
時刻は17時半くらいになってました。(; ^ ー^) 日が長い時期なので助かりました。
太郎山登山道入口付近
このようにきれいに刈り込まれています。
以上で太郎山登拝はおしまいです。今回の登山では多大な経験値を得られました。苦しい登山を歩ききったことで結果的には大満足です。精神的にも肉体的にも、また少し強くなれたと思います。こういう経験は後々活きてくると思います。
教訓:
・くつ下はくつずれになりにくいので、登山用に限る。
・雪が融けかけの時期は難しい面がある。
・山中で食中毒になることもありえるので、食あたりの可能性が低いものを食べる。体調不良対策を考えておく。
・可能性は低いが食材によってはヒスタミン食中毒になることもあるので抗ヒスタミン薬(鼻炎薬やアレルギー薬など)を用意しておく。抗ヒスタミン薬はハチに刺された時にも役立つ。
Amazon.co.jpアソシエイト&楽天Books