巨石の霊山 弥山登拝1 神の島に空海が開基した大聖院参拝、多彩な堂宇と見所ありでした

9月の半ばに弥山の登拝(登山)を目的として安芸の厳島にやってきました。広島県の日本三景、宮島です。厳島神社には過去4、5回ほど参拝しているので、今回、厳島神社はさっと参拝して弥山登拝に向かいました。

弥山を登拝先に選んだ動機ですが、手軽に登れる山というイメージを持っていたためです。ちょうど左足を痛めていたので、今が弥山に登るのには好機だととらえ弥山までやってきました。足が健在であればもう少し厳しい山に登っていたと思います。

弥山の登拝では主要な要素として、麓の大聖院、弥山の登山道、頂上付近の堂宇や岩、厳島神社の奥宮とされる御山神社などがありますが、登拝時の順番で書いていきたいと思います。写真の量が多くなると思うので、投稿は何回かに分かれると思います。このエントリーでは厳島神社を若干と、弥山の登山コース、大聖院参拝までを書こうと思います。

厳島神社(厳島神社)

少しだけ厳島神社情報ですが、現在海中の大鳥居は修復中のためはっきりと見ることはできませんでした。大鳥居や嚴島神社が海にある理由ですが、厳島が神の島(神に斎く島)で禁足地であったため海上に造営されたそうです。

近くの海岸

入口

大鳥居(改修中)

厳島神社 遠景

参拝入口

鏡の池

鏡の池には細い水路ができていて、大きな魚が体をうねらせながら鏡の池に向かっていました。

拝所

 

弥山の登山コース

弥山には色々な登山道が張り巡らされています。事前調査の結果、ネット上でよく紹介されているルートは、紅葉谷コース、大聖院コース、大元コースの3つのコースです。この3つについては少し検索するとたくさん情報がでてきます。

3つの主要コースの参考サイト:宮島 弥山散策

わたしは、大聖院に途中で参拝しようと思っていたので大聖院コースを通ることは決めていました。下りに石段を通るのは足の負担がきついと思ったので大聖院コースは登りにし、下りは普通の登山道と思われる大元コースを歩きましたが、どっこい大元コースも結構石段はありました。

3つの主要コース以外にも登山ルートはたくさんあります。島の東、西、南側のコースは登山道が厳島港の桟橋から離れていたりしてやや不便な場合が多いです。登って下りてまた登って帰るのピストンかアスファルトの道を歩くしかありません。3つのコース以外の登山道を歩きたい場合はYAMAP等で検索するとよいでしょう。
以下に簡単に登山コースをまとめてみました。

 紅葉谷コース

紅葉谷川渓谷沿いの森の道。紅葉(モミジ)や楓(カエデ)が多く紅葉がきれい。巨岩、奇岩あり。比較的ゆるやかなので観光客向け。後半には80段の石段あり。

大聖院コース

大聖院から登り、石段が多い。堂宇や石仏がちらほらと点在していて信仰登山向け。途中に白糸の滝などがある。

大元コース

厳島港からはやや遠い大元公園が登山口。弥山原始林を歩くので、登山道っぽい。巨岩が多い。

博奕尾コース

うぐいす歩道や、紅葉谷公園の紅葉谷駅の手前に登山口があるルート。島の北側なので登山口にも行きやすい。博奕尾の尾根を歩き、宮島ロープウエイの榧谷(かやたに)駅~獅子岩駅を途中に通ります。包ヶ浦自然公園からの登山道が途中で合流します。

包ヶ浦自然公園コース

宮島(厳島)東側の包ヶ浦自然公園を登山口/下山口とするルート。
比較的のんびりできる包ヶ浦自然公園は、ケビン(宿泊)、キャンプ場、海水浴場、レストランなどがあります。登山ルートは静かで人が少ないので弥山の霊性を感じる分にはよいようです。
シダなどで細くなっている部分、えぐれている部分など、登山用のルートです。海などの眺望はあるようです。博奕尾、獅子岩から弥山へと続きます。
包ヶ浦自然公園を起点に電動自転車を借りて、七浦巡りをするのもよいかもしれません。
包ヶ浦自然公園へは、夏季の一時期はバスがあるようです。(2019年、令和元年時点)

参考サイト:包ヶ浦自然公園

青海苔浦コース

宮島(厳島)南側の青海苔浦を登山の起点とするルート。青海苔浦の海はかなりきれいという情報と、ごみがあるという情報があるようです。
七浦巡りと組み合わせることもできます。青海苔浦には七浦巡りの一社である青海苔浦神社があります。

参考サイト:七浦神社

長浦~岩船岳コース

宮島(厳島)西側の長浦付近を登山口とするルート。弥山へは岩船岳経由の縦走となります。
(伐採整備がされてなければ)一部シダがきつい部分もあるようです。地図上では車道が途中から通じてないように見えますので(林道が続いているかもしれません)、ちょっとした秘境感があるかもしれません。歩いたことがないので想像です。
登山地図上では歩くルートが通じているように見えますが、現況がどうかはよく確認していく必要があると思います。

大聖院とは

厳島神社の別当寺でした。

「 宮島にある寺院で最も歴史が深いのが、真言宗御室派(総本山仁和寺)の大本山大聖院です。空海が唐より帰朝後宮島に渡り弥山にて修行なされ、西暦806年(大同元年)開基。」
(大聖院Webサイトより)

札所の数が多い。(Wikipedia情報)
・中国三十三観音第十四番札所
・山陽花の寺二十四か寺第一番札所
・広島新四国八十八ヶ所霊場第八十七番札所
・桜や紅葉の名所

大聖院のお堂

主に弥山山麓の本坊と山頂付近に多彩な堂宇があり、見所がたくさんあります。麓部分の大聖院境内だけでもじっくり時間をつかって参拝、見学すると1、2時間はすぐに経過してしまいそうです。わたしはやや駆け足参拝で40分ほどの滞在でした。

麓の本坊の主なお堂は、勅願堂(波切不動明王)、観音堂(十一面観世音菩薩)、摩尼殿(弥山三鬼大権現の本坊御祈祷所)、大師堂、遍照窟です。

お堂、仏像、巡り所などの見所以外に、B級造形物的な像や小物などがたくさん展示してたりして、ちょっとしたカオスです。

頂上付近の堂宇では、弥山本堂、不消霊火堂、弥山三鬼堂(三鬼大権現)、文殊堂などがあります。

大聖院本坊参拝

仁王門

参道の階段

霊気が満ちている参道でした。

手摺にも細工が施してありました。

六角茶房


入口付近に茶房がありました。

御成門

授与所

授与所は品揃えが豊富でした。独鈷杵守や三鈷杵守、五鈷杵守も売っていました。(下の写真)お坊さんが座する拝所にある金剛杵からするとちゃっちいですが、それでもずっしりとした金属の重量感があるものが2000円~2500円でした。(令和元年9月現在)念珠も豊富でした。

観音堂

水晶

仏足跡


観音堂で中に入ってお参りさせていただきました。十一面観世音菩薩が祭られています。十一面とはどんな風に11面なのかと思っていたら、「通例、頭上の正面側に柔和相(3面)、左側(向かって右)に憤怒相(3面)、右側(向かって左)に白牙上出相(3面)、背面に大笑相(1面)、頭頂に仏相を表す(Wikipedia十一面観音)」だそうです。大聖院観音堂の十一面観音菩薩の場合は仏像の頭の上に小さい頭が載っているようです。
観音堂は穏やかで鄙びた田舎の古寺の雰囲気です。寛げたら最高ですが、弥山登拝の目的があり、先を急ぐのでさっとお参りするだけにとどまりました。

観音堂 戒壇めぐり

戒壇めぐりでは、暗所に仏の絵がずらりと並んでいて、霊気がすごかったです。厳かで特殊な空間になっているので一見の価値ありでした。中国三十三観音霊場お砂踏み道場です。

自分自信が積み重ねた罪障を取り除くための修行道場です。

中国観音霊場各寺院の本尊と本堂前のお砂と灰が安置してあり、堂内は真の闇でこの暗黒の世界をめぐれば、37ヶ寺お参りしたのと同じ功徳があり、自分自信が積み重ねた罪障を取り除くための修行道場です。(大聖院サイトより)

 

勅願堂

勅願堂への参道

勅願堂


勅願堂は、大聖院の本堂です。本尊波切不動明王の前でお参りしますと、ぐっと気持ちが引き締まる思いです。大聖院で一番厳かな場所でしょうか。すぐに他の人が来たのでお参りは切り上げました。

摩尼堂

摩尼堂への参道への階段と天狗の像

摩尼堂

万福堂

大師堂

遍照窟


遍照窟には入らなかったのですが、後から考えればせっかくなので見ておけばよかっと思います。四国八十八ケ所霊場の本尊が安置され、本尊前に各霊場のお砂が埋めてあるそうです。

境内の手水

ユニークなスポット

釈迦涅槃堂

コミカルな像

コミカルな像 極楽堂

愚痴聞き地蔵

以上で大聖院の本坊の参拝は終わりです。引き続き弥山への登拝は続きます。



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