九州の美しい霊峰 祖母山登拝(健男霜凝日子神社上宮、祖母嶽神社上宮)

2月の上旬に日本の山としても名高い九州の祖母山に登りました。祖母山を行き先とした理由は九州の霊峰として名高いこと、標高がある程度高く登りがいがありそうなこと、山奥感がありそうなこと、今年は雪が少なく冬山に登れるチャンスと思ったことからです。

積雪は山頂近くで15cmほどあったのですが、天候に恵まれ無事祖母山を登ることができました。登ってみた感想は、雪山だったこともあると思いますが美しさと神々しさがありとてもすばらしかったです。

登山コース

祖母山周辺の山を調べたとき、越敷岳、緩木山という山が祖母山のほぼ隣にありました。それぞれ山頂や山中に祠があることから霊山かもしれないと思い、コースに組み入れる検討をしました。越敷岳、緩木山は天台修験の山だったそうです。
越敷岳や緩木山を含んだコースを下記に記載しています。所要時間はYAMAPのコースタイムで計算しています。
心配される雪は登山3日前の計画段階では国観峠までは積雪なし、祖母山頂上も5cmとほぼ考慮しなくてもよさそうでした。祖母山の2月の積雪は例年だと30cmということですから今年は少ないようです。

緩木山~祖母山~越敷岳コース

霊山ぽい山を三つも巡れるコースです。ただし、一番霊山の格が高そうな祖母山を最後に登って終われないのは少し残念です。
コースタイム上は約8時間50分かかりますが、休憩を少なくして下りや平坦な道の部分で急げば7時間~7時間30分くらいが目標タイムになりそうです。

緩木山登山口(=越敷岳登山口)
  
緩木社元宮
  
緩木山(1046m)  1時間10分 +α
  
三県境(茶屋場)   3時間40分
  
国観峠(1486m)  4時間10分
  
祖母山(1756.4m) 4時間45分
  
国観峠(1486m)  5時間5分
  
三県境(茶屋場)   5時間35分
  
越敷岳(1061m)  7時間40分
  
越敷岳登山口     8時間50分+α

コースタイムを+αとしているのは緩木山で元宮に寄る分少し時間がかかりそうなためです。

このコースを計画した後、2日前の天気情報で祖母山は昼頃から風が強く風速15m以上になりそうなことと前日雨雲が九州を通過することから積雪が予想されたのでほぼAM中に帰ってこれる次の神原コースに変更しました。

神原コース

神原登山口(一合目ノ滝登山口)
  
国観峠(1486m)    2時間25分
  
祖母山(1756m)  3時間
  
国観峠(1486m)  3時間20分
  
神原登山口     5時間25分
(一合目ノ滝登山口)

このコースならほぼ午前中に下山することができそうなので、実際に利用しました。距離やコース内容など物足りない感じもしますが、冬場の強風に遭うと行動不能になりかねませんのでやむなしです。

その他、バスやタクシーをうまく利用することで次のようなコース取りも考えられるので参考として記載します。次回以降検討したいと思います。

越敷岳~祖母山~尾平コース

越敷岳登山口(=緩木山登山口)
  
越敷岳(1061m)  1時間20分
  
三県境(茶屋場)   3時間50分
  
国観峠(1486m)  4時間20分
  
祖母山(1756.4m) 4時間55分
  
宮原(宮原コース)  5時間55分
  
尾平(尾平鉱山)   8時間5分

尾平からはバスが出ていて、16:50発緒方駅行きです。

緩木山~祖母山~尾平コース

緩木山登山口(=越敷岳登山口)
  
緩木社元宮
  
緩木山(1046m)  1時間10分 +α
  
三県境(茶屋場)   3時間40分
  
国観峠(1486m)  4時間10分
  
祖母山(1756.4m) 4時間45分
  
宮原(宮原コース)  5時間55分
  
尾平(尾平鉱山)   7時間55分+α

+αとしているのは緩木元宮に寄るのに少し時間を要するからです。往復で10分くらいのようです。尾平からはバスが出ていて、16:50発緒方駅行きです。

当日の服装と水

登山用半袖ドライインナー、長袖ベースレイヤー、アウター、冬用トワイライトパンツ、登山用タイツ、イヤーマフ、ニットのヘッドウォーマーです。
登り始めの最初の頃のみ、ミッドウェア、登山シャツを合計2枚重ね着していたのですが、暑くて登山開始後30分程度で2枚脱ぎ、下山までそれで通しました。当日の天気情報では頂上付近は-4℃でした。ザックの外側に挿していたペットボトルの水の中に細かい氷ができていました。
下山後竹田市内に戻って街中を歩いているとき寒くなり2枚重ね着しなおしました。

水は500mlのペットボトル×1.6本くらい持参して0.7本分程度飲みました。1.6本というのは竹田市内のお宿での朝食のとき飲んでいたためです。竹田の地場の水を買って飲みましたがとてもおいしい水でした。紺色の帯パッケージの水でした。

祖母山登拝

神原登山口を7時過ぎに出発しました。登山口にはトイレもありました。神原登山口へのアクセスは車、コミュニティバス「かもしか号」(予約制)、タクシーがあります。

神原登山口 駐車場とトイレ

登山口

登山口は駐車場を出て2,3分です。上は登山口の写真ですが、シャッターミスなのか暗く写ってしまいました。登山口で祖母山への入山挨拶をしました。わたしは大体どの山に入るときも山に入山挨拶をしています。

登山口から登山道を15分ほど歩くと御社の滝に着きました。

御社の滝付近で道迷い

御社の滝

御社の滝の徒渉ポイント

御社の滝では少し道迷いをしました。御社の滝の少し下流で川を渡った先にもトレッキングルートがあるので渡ってしまいました。うろうろと地図やGPSなどで調べた結果、川は渡らないのが正解でした。渡ってしまうと滝のそばまで進むことができましたので、その点はよかったです。

正解の登山道に戻るためには川を渡り戻らないといけませんが、雨のせいで岩の表面の苔や土などが濡れていてすべりやすい状況でした。ルート的に最初に渡るのは楽で戻るのは少しこわかったです。しばらくどのルートを渡って戻るか躊躇していましたが、最後は覚悟を決めて「えいやっ」と少しジャンプして渡りました。(^∀^;) 雨で岩が濡れていなければどうということはないと思います。

御社の滝

滝のそばまで進めます。昔修験道者はこの滝で禊をして入峯したそうです。

五合目避難小屋は閉鎖中

五合目避難小屋

冬だからか避難小屋はしまってました。

神原登山道

少し雪がかかってきました。上の写真は出発から30~40分程度です。

神原登山道は雪

登山道 動物の足

小動物の足跡がときどき雪道に残っていました。

登山道

途中までは雪に雨が降った跡がついていましたが、このあたりでは雨の跡もなく、雪が積もってました。上の写真は出発から50分程度です。

登山道

雪の登山道です。途中で軽アイゼンとゲイターを装着しました。踏み跡がないため登山道がわかりづらくルートを考えながら歩きました。なかなか歩くペースが上がりません。

登山道の樹林

国観峠とお地蔵さん

国観峠

急に視界が開け、国観峠到着です。(^∀^) きれいな雪原です。2時間15分くらいかかりました。滝で迷ったりアイゼン付けたりした時間を抜くと正味2時間弱くらいと思います。国観峠までの途中7合目に「いのちの水」という水場があるはずでしたが、気づきませんでした。

国観峠

国観峠のお地蔵さん

国観峠の雪原にお地蔵さんがありましたのでお参りしました。ここでのお参りでは祖母山の神さまが出てこられ感激でした。とても高波動でした。

国観峠からの登山道

国観峠から祖母山への登山道でお腹がすいてきたのと足の指先が冷たくなっていたのでおにぎりを1個食べました。登山道では時々ごぉーっという風の音がして、強風の兆しがありました。

国観峠から頂上への登山道は意外に時間がかかりました。雪が15cmほど積もっていたことで普通より馬力がいる上、雪道下に石が動いたり岩や凹凸がかくれていたりで歩きづらかったです。確かめるように一歩一歩確実に歩きました。雪の下がいてついている感触の箇所もありました。

国観峠からの登山道

そして、国観峠からコースタイム通り約40分で青空が広がる山頂に到着です。ヾ(*´∀`*)ノ

祖母山山頂で拝礼

祖母山 山頂

山頂からの眺望、澄んだ空気、そして祖母山の神さまはきらきらと輝くような美しさで強く印象に残りました。実際の風景も心象風景も本当になんと美しいんだろうと感動しました。雪山にチャレンジした登拝者のみの特典だと思います。下山後祖母山のことを思い返すと満足感がどんどん湧きあがってくるほどすばらしい体験でした。

山頂で改めて祖母山の神さまに拝礼しました。祖母山の神さまは山頂まで登ってきた人間を労わるような優しさでした。祖母山登山の目的を果たせよかったです。(^∀^)

山頂でのお詣りでは短い祝詞を唱えましたが寒さのためか口と脳の活動が低調でスムーズに声が出ませんでした。(^∀^;)

頂上ではおにぎりなどを食べましたが、寒かったのと、天気が荒れたら困るのですぐに下山をしました。強風の音は相変わらずしていたのですが、うまく登山道や山頂付近を避けて吹いてくれていて祖母山の神さまのお陰だなと思いました。

祖母山山頂(1756.4m)

祖母山山頂

祖母山から帰宅後、祖母山のことを調べてわかりましたが、祖母山山頂の祠は健男霜凝日子神社上宮、祖母嶽神社上宮のようです。また祖母山山頂は山の神の聖地として女人禁制だったそうです。

以下は山頂からの眺望の写真です。周囲を見渡しても山、山々や雲が続き、一歩間違えれば生命が危ないような山奥感があるのがいいです。(^∀^;)

祖母山 山頂からの眺望

 

陽が昇った国観峠

山頂を後にし、再び国観峠にやってきました。だいぶ陽が上がった国観峠です。くっきりと青空とのコントラストがきれいな雪原や雪をかぶった樹林帯でした。

国観峠

上の写真は祖母山方面の登山路を振り返ったものです。

以上で祖母山登拝の写真はおしまいです。国観峠を出発して無事下山できることにほっとしたのですが、その心の中に自分が無事帰れたからいいやという思いが混じっている気がしました。自分さえよければよいのかということを思い、反省しました。祖母山の山頂では安全祈願もしたのですが、お祈りとしては、本日登山された方々が無事帰れますようにとすべきでした。

祖母山周辺の神社

祖母山登拝から帰宅後のリサーチで祖母山山麓には幾つかの神社があることがわかりました。山麓の神社は下宮であり、祖母山山頂に上宮があるというパターンです。次に列挙しておきます。

健男霜凝日子神社 下宮
穴森神社(健男霜凝日子神社中宮に相当)
健男霜凝日子神社 遥拝所(神幸所)
祖母嶽神社 下宮

さらに調べたら他にも出てくるかもしれません。

祖母山のまとめ

登山については、軽い雪道だったのですがよい経験になりましたし、雪景色が美しくよかったです。雪道は通常登山より多少時間がかかりました。雪で登山路がある程度隠れていたのできょろきょろしながらの登りが多かったです。ある程度の積雪となってからは雪の抵抗に対して多少パワーが必要でした。さらに雪の下の路面状態がわからないため、よく足がぐにゃっとなったり石がすべったりしましたので一歩一歩確実に歩きました。

登拝については、登山口、国観峠と祖母山山頂の3回の拝礼を行いました。この内、国観峠と山頂では祖母山の神さまに拝礼をすることができましたので、霊山に登って山岳神にお詣りするという目的は果たせました。これでまた自分の経験値や各種人間としてのパラメターがアップしたと思います。祖母山と祖母山の神さまはとても美しかったので、また別の登山ルートにて登りたいと思いました。風穴がある登山コースとか鎖場のあるルートもあるようですので、雪がない季節にでもチャレンジしようと思います。



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