九州の山 福智山登拝(福智上宮神社、鳥野神社奥宮)
12月中旬に福岡の筑豊地方にある福智山、尺岳を縦走してみました。どちらの山も山頂に祠がある霊山であること、福智山の山頂付近の眺望がよさそうなこと、手軽に登れそうな標高であること、2つの山は隣接していて縦走できることから縦走登山(登拝)することにしました。
写真が多くなりますので、福智山編と尺岳編の2回に分けて書きたいと思います。それぞれ次の内容が含まれます。
(ⅰ)福智山編(今回エントリー)
上野峡、白糸の滝、福智山、福智上宮神社、鳥野神社奥宮
(ⅱ)尺岳編(次回エントリー)
福智山~尺岳縦走、尺岳、尺岳権現、龍王峡、竜王神社
目次 |
福智山と神社
福智山
標高901m(900.6m)。九州百名山。山容が立派で美しく「筑豊の盟主」と呼ばれるそう。山麓には福智川源流の白糸の滝(上野峡)といった名所が、山中には虎尾桜、源平桜、平家桜といった有名な桜の木がある。
福智山は、市町区分でいうと、福智町、直方市、北九州市の境にあるようです。
リンク先:源平桜(福智町のページ)
リンク先:虎尾桜 エドヒガン(福智町のページ)
山腹に広がる豊かな森林は福地川(前述の福智川とは別)の水源林として古くから維持されており、日本の水源の森百選にも選ばれている。(Wikipedia福智山より)
福智山の神社
福智山は修験の山で、以下の2系統の神社が存在します。
神社名 | 山頂 | 山麓 | その他 |
福智神社 | 福智上宮神社 | 南西の山麓に福智中宮神社 | 平地に福智下宮神社 |
鳥野神社 | 鳥野神社奥宮 | 東北の山麓に鳥野神社 |
山麓の福智神社中宮、鳥野神社ともにうっそうとした杜の参道があり、山岳神社らしい雰囲気があります。鳥野神社には行ったことがないので写真からの情報です。
福智神社の下宮も、うっそうとした杜に囲まれていて写真からはよさそうな雰囲気でした。
なぜ一つの山に2系統の神社があるかというと、福智山が筑前と豊前の両国の国境にあり、それぞれの住民用だったようです。実態としては、どれも福智山の山の神さまを祀っているのではないでしょうか。おらが国の神さまと思われたほうがありがたみが増しますし諍いにもなりませんのでよい智恵なのでしょう。
リンク先:福智上宮神社(福智町のページ)
福智山登山情報
福智山の登山ルート
下記のページに5つのルートとパンフレットが紹介されています。
リンク先:福智山(福智町のページ
福智山の登山コース
下記のページにたくさんの登山コースが解説されています。
リンク先;YAMAP福智山
わたしの登山データ
登山ルート
上野峡ー白糸の滝ー林道分岐ー(古道)-福智山ー豊前越えー尺岳ー竜王峡
上野峡(あがのきょう)を出発し、白糸の滝から登山開始。林道分岐から八丁越えを行かず古道を通って福智山 に登りました。
古道という言葉の響きに惹かれたものですが、結果から言うと素直に八丁越えを登ってたらよかったなと思いました。白糸の滝~八丁越えのルートが明るい登り応えのある「陽」のルートだとすれば、古道ルートはやや暗い「陰」のルートでした。古道ルートは途中荒れた林道を行くのと、人口植林の樹林帯を通ることから野趣が下げります。よいところはマイナールートのため人がいないことと川沿いということです。
福智山山頂到達のあと、鈴ヶ岩屋方面に寄りたかったですが、寒かったので取りやめ、普通に尺岳に縦走し、竜王峡に下山しました。
登山データ
福智山と尺岳あわせて、登り累計約1100-1200m、総距離13km弱でした。
トイレ
上野峡の登山口付近の駐車場にきれいなトイレあり。福智山山頂から少しおりた山小屋(避難小屋)にバイオトイレあり。トイレではないですが、福智山登山途中に林道分岐があり、林道に少し入ったところは人が余り来ないので用を足す人がいるそうです。
あとは尺岳下山後の竜王峡のキャンプ場にはトイレありです。
福智山に登った
登山開始は、下の地図の上野峡の駐車場のあたり。福祉バスで来た場合もこのあたりに停めてもらいます。駐車場にはトイレがありました。ここからまず福智中宮神社を参拝し、そのあと、白糸の滝に向かいました。
上野峡から福智山へは主に、上野越え経由で登る登山道と、八丁経由で登る登山道があります。
白糸の滝は八丁経由の福智山登山路にあります。上野越え経由で登る場合は、途中で白糸の滝にいける分岐があると思うのでそこから往復すればよいと思います。大して時間はかかりません。
上野峡の地図
上野峡・白糸の滝(白糸ノ滝)
上野峡はあがのきょうです。
距離は短いですが、白糸の滝に向けて渓谷沿いを歩きます。(上の写真)一旦、皿山・上野越え方面に進み、白糸の滝に進むと渓谷を通ります。また、上野越え方面の登山道は沢沿いを歩くと思います。
白糸の滝
上の写真は駐車スペースから直接白糸の滝に向かった際に通る橋付近から見た白糸の滝の遠景です。
白糸の滝
白糸の滝は、白い糸がたくさんという感じの滝でした。立派でとても清らかでした。龍神さんスポットという感じです。神仏がおられる霊場ですので滝に向かって、また、好みで下の写真の仏像にも手を合わせておくとよいと思います。滝ではとてもよいエネルギーの神さまへの参拝ができました。
夏場など水浴びする人もいるのでしょうか。
白糸の滝と日蓮上人像?
上の写真は滝のほとりにあった像です。南無妙法蓮華異郷と書かれていたので法華経でしょうか。日蓮上人像かなと思いました。霊的にも入神されているようで、霊山の滝そばの石像らしくよいエネルギーが感じられる像でした。
白糸ノ滝の不動明王像
こちらの不動明王像さんもよかったと思います。烏天狗なのか河童なのか何かに似ているようで似ていない、ちょっと変わった顔の不動明王像でした。
福智山登山道
なかなか登り応えがある気持ちがよい登山道が続きました。適度に岩や急登が続いていて、登山道両側の樹林も自然っぽい針葉樹の低木が多いため、松系の独特の香りがしました。好きなタイプの登山道です。途中から常緑広葉樹の樹林帯になり、そちらもよかったです。山頂近くなってくると樹木はなくなり、眺望がよくなりました。上に行くと雪も少々積もっていました。
常緑樹の樹林帯になりました。多少積雪がありました。初雪でしょうから、凍結等はなく軽アイゼンなどはなくても大丈夫でした。山頂付近の下り時はあってもよかったかもしれないですが、短い間なので大丈夫でした。
福智山山頂
山頂付近は眺望がよくて最高でした。けれども、風が強く体感温度はマイナス10度くらいいっていたかもしれません。登山中暑くてやや軽装になっていたこと、汗をかいていたことで風が冷たかったことによるものです。
長くいられる状況ではありませんでしたので、山頂の祠の前などで山の神さまに手早く拝礼したら、すぐに下山に移りました。福智山は山の神さまもおられるような霊地でした。
気候のため、山頂付近で食事している人はほとんどみかけませんでした。ただ、1パーティのみ岩陰で5~6人身を寄せ合うように固まって食事の支度らしきことをしようとされていました。頑張ってるなーと思いました。遭難した人たちがいたとしたらあんな風に固まって過ごすのかなと連想したりしました。(^∀^;)。
山頂付近の2つの祠は、福智上宮神社と、鳥野神社奥宮です。どちらも福智山の山の神さまを祀るものと思います。
下山へ。注意事項と反省点
気温が低いため、スマホのバッテリー消耗がはんぱなく早いです。充電器を持って来ていてよかったです。
少し風をさけれるところまで下り、重ね着をして寒さ対策はできました。インナーしかなく一度アウターシェルを脱いで重ね着しないといけなかったので寒かったです。気候がもっと悪いとき、そのようなことをしていたらダメージが大きいので反省点になりました。登りのうちに、頂上に近い樹林帯で風を避けて着込んでおくべきでした。もしくは重ね着できるシェルを持って来るべきでした。
避難小屋まで降りてきたら風が少なく過ごしやすかったです。ほっとしました。
小屋ではバイオトイレがありました。においが少ないトイレでした。トイレットペーパーはついてました。山のトイレなのできれいに使い、もし汚したらふき取るなど自己責任で掃除していかなければいけないとのことです。
Mapを見ているとたぬき水という水場が付近に記載されていたのですが、気づきませんでした。
~次回、尺岳縦走へと続く~